西日本旅客鉄道株式会社様

毎月の分析時間が10時間から数分に削減!導入3か月で平均投稿数174%、平均閲覧数279%に増加し、SNS運用の“質”と“量”が大きく改善

北陸から九州北部まで2府16県にまたがる広大な鉄道ネットワークを基盤に、1日当たり約500万人の乗客が利用するなど、人々の移動を支える西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)。同社は鉄道事業のみならず、1,150の駅(2025年4月1日時点)という拠点を活かし、ショッピングセンターなどの流通業・ホテル業・不動産業など、地域の暮らしに深く根差した多様なサービスを展開している。こうした幅広い事業領域において顧客との多様な接点を創出するため、同社ではXやInstagramをはじめ、JR西日本全体で約50ものSNSアカウントが運用されている。

しかし、その数は部署ごとの必要性に応じて自然発生的に増えていった結果であり、全社的に統一した管理体制の必要性を感じていたという。アカウントの乱立や管理体制の未整備、潜在的な炎上リスクといった課題を解決するため、同社は全社的なガイドライン策定とSocial Insightの導入に踏み切った。ここでは、同社 経営戦略本部 コーポレートコミュニケーション部の音無弘樹氏、横山純子氏、廣兼采佳氏に、Social Insightを選んだ理由や活用方法、実際に得られた効果などについて伺っていく。

課題

JR西日本全体で50以上のSNSアカウントが乱立。リスク管理のために導入したガイドラインの浸透にSocial Insightが大きく貢献

JR西日本全体では、Xが17個、Facebookが11個、Instagramが19個、YouTubeチャンネルが3つ、LINE公式アカウントが2つの合計52個のアカウントを運用している。※2025年8月時点

これほど多くのSNSアカウントを開設している中、Social Insight導入以前のJR西日本では、全社横断でSNSを統括する部署や統一されたルールが存在しなかったことに課題を感じていた。

「会社全体でSNSアカウントが乱立していることを課題に感じていました。運用されているSNSアカウントを一括して管理する部署はなく、セキュリティ上の申請をクリアすれば、個数の制限なくアカウントを作れる状態でした。その結果、それぞれの部署が単独でSNSを運用しており、投稿のルールや炎上を避けるための注意点などもありませんでした」と横山氏は当時を振り返る。

会社としてどのようなSNS運用が行われているかという全体像を正確に把握できていない中、効果測定についても各担当者の属人的なスキルに委ねられていた。横山氏は「導入前はフォロワー数を毎日決まった時間に画面を見にいき、手作業でExcelに入力するといった作業を行っていました」と教えてくれた。こうした非効率な運用は担当者の大きな負担になると同時に、会社全体としてSNS運用の成果を可視化し、次の戦略へ活かすことを困難にしていた。

SNS運用の効果測定やリスク管理の必要性を感じたJR西日本では、まずはガイドラインを作成することから着手したという。ガイドラインの作成にあたっては同業他社の事例を参考に、アカウントの開設方法や投稿におけるルール、炎上時の対応方法などを策定した。

しかし、これまで各部署に運用が一任されていたため、ガイドラインは「取り締まり」と受け取られかねない。そこで各担当者がガイドライン通りの運用をしやすくするために、同時に導入を決めたのがSocial Insightだ。投稿や分析の工数を削減できるツールをセットで提供することで、ガイドライン遵守への心理的なハードルを下げる戦略が功を奏し、「Social Insightの導入によって各部署の業務が効率化されたことで、ガイドラインをスムーズに導入できました。Social Insightがなかったら、ガイドラインは形骸化していたかもしれません」と音無氏は語った。

さらに、Social Insightを導入した理由は管理画面・投稿管理機能の使いやすさに加え、導入前の段階から感じられた手厚いサポート体制にあったという。「導入前から本当に手厚く相談に乗ってくださり、安心できたのも導入の決め手でした。私たちが抱える課題に対して真摯にケアしてくださるのを感じ、『ここまで丁寧に対応していただけるんだな』と感動しました」と横山氏は語る。実際にSocial Insightの導入後もサポート面での満足度は高いという。

活用方法

フォロワーの属性を詳しく分析でき、本当に求められている投稿を把握できた。「炎上監視アラート」で会社の信頼に関わるリスクの早期発見も可能に

JR西日本では、日々の投稿管理からSocial Insightを活用して業務効率化を図っている。従来は担当者が投稿内容のスクリーンショットと本文をチャットで上司に送って承認を得るなど、手間がかかるうえに承認履歴が残りにくい運用体制だった。廣兼氏は「以前はセキュリティの関係で、会社のパソコンから直接Instagramに投稿できず、iPadなど別の端末を使う必要がありました。今はSocial Insight上でXもInstagramもボタン一つで切り替えられ、同じパソコンで上司への承認依頼まで完結できます。これは、投稿する人も承認する人も業務が効率化されたので、とてもありがたいですね」とメリットを語る。ツール上で承認履歴が確実に残ることは、リスク管理と業務効率化の両面で大きな前進だった。

※複数アカウントの管理・承認が可能

また、SNS投稿の分析のあり方も劇的に変わったという。その効果が顕著に表れたのが、上司への報告業務だ。「会議の前に上司から特定の取り組みに対してSNSの反応を報告してほしいと急ぎの依頼を受けた時がありました。以前なら自社アカウントの閲覧数を報告するのが精一杯でしたが、Social Insightを使えば5分で詳しい分析が可能です。クチコミ分析機能を活用することで、お客様がどういった点に喜んでいるかといったポジティブな声をすぐにデータで出力し、会議で報告できました。Social Insightがなければ、お客様が車内アナウンスにも喜んでくださっていることなど、具体的な評価ポイントまでは分かりませんでした」と横山氏は振り返る。報告を終えた後は、分析の細かさが高く評価されただけでなく、SNS運用の大切さを経営層に再認識してもらうきっかけにもなったという。

Social Insightによる詳しいデータ分析は、感覚による投稿を見直すことにもつながった。当初、JR西日本のInstagramアカウントは「Instagramだからボリューム層である20〜30代の女性がターゲットだろう」という想定のもと、アフタヌーンティーの情報などを発信していた。しかし、通常であれば1500ほどのいいねが、アフタヌーンティーの投稿では300ほどしかもらえなかった。Social Insightでフォロワーの属性や投稿の反応を分析したところ、想定と実態は大きく異なっていた。

※性別や年代など、フォロワーの属性が一目で把握できる

「データを見ると、フォロワーは女性だけでなく男性も含めてバランスが良く、むしろ観光列車の『WEST EXPRESS 銀河』の話題など、“鉄分多め”のコアな鉄道コンテンツの方が反応が良いことが分かりました。それからはフォロワーの属性も意識した投稿に変え、手応えを感じています」と横山氏は語る。

※相対的な閲覧数が可視化され、ニーズのある投稿内容が一目瞭然

データという客観的な根拠は、人気企画の継続も後押しした。JR西日本でICOCAの利用促進を担うマスコットである「カモノハシのイコちゃん」が駅を散策する「駅散策」シリーズが好評なことは肌感覚で分かっていたが、明確な数字として可視化されたことで「駅散策シリーズは続けても大丈夫なんだという確信に変わりました。実際に地元にイコちゃんが来てくれたことに喜んでいるコメントも見られるので、ファン作りのために自信を持って運用を進められています」と廣兼氏は語る。

クチコミ分析も、フォロワーが求めている投稿をするのに役立っているという。「JR西日本というキーワードで検索した際、ある新聞社でJR西日本と特定のブランドがコラボしたお菓子の記事のいいね数が多いことが分かりました。『これはニーズがあるのかも』と思い、コラボ第二弾の際には自分たちのSNSで紹介したところ、バズを起こすことができました。以前ならフォローしていないアカウントの分析はできなかったので、このバズはSocial Insightがなかったら起こすことはできませんでした」と横山氏は、ユーザーのニーズを見つけるのにクチコミ分析が役立ったという。

※トレンドを把握すれば、見られる投稿の確度を高められる

導入の大きな目的であったリスク管理の面でも、Social Insightは重要な役割を担っている。特に「炎上監視アラート」機能は、お客様の生の声から異常を早期発見するうえで欠かせないという。「お客様の生の声を即座に拾えれば、異常事態を早期発見し、会社として迅速な対応がとれます。例えば『駅間停車 閉じ込め』の投稿数が上昇した場合、もしかするとJR西日本の車両が止まったことで、お客様が閉じ込められているかもしれません。登録すべきキーワードについても、担当者の方が丁寧に調べてくださり、本当に助かりました」と横山氏は教えてくれた。

異常事態でいかに早く対応できるかは、会社の信頼に大きく関わる。以前からJR西日本ではSNSで投稿された災害や事件・事故情報をいち早く入手するツールを導入していたが、批判的なコメントが含まれると通知されない仕組みだった。これでは素早く対応すべき情報を網羅的にキャッチしきれなかったという。「私たちが対応すべきお客様の声の中には、批判的なキーワードが盛り込まれた投稿もあります。これらを拾いきれないと対応が後手となってしまうので、私たちが向き合うべきキーワードもしっかりアラートしてくれるSocial Insightは、ありがたい存在です」と音無氏は語る。

※重要なキーワードを登録して炎上をいち早く察知

成果・今後の展望

分析時間は月10時間から数分に削減!投稿の量と質が向上し、平均投稿数174%、平均閲覧数279%と大きく伸長

Social Insightがもたらした最も大きな成果の一つは、業務効率化だ。従来、ひと月あたり10時間ほどかかっていた分析作業が、導入後はわずか数分で完了するようになったという。この効率化によって投稿の「量」と「質」が向上し、目に見える成果が表れた。Instagramでは、Social Insightの導入から3か月で平均投稿数174%、平均閲覧数279%、フォロワー数113%と大きく伸長した。

※日々のフォロワー数の伸びを簡単に確認することができる

組織文化にも明らかな変化が生まれている。「以前は各部署がどんどんSNSアカウントを開設していましたが、今はまず私たちの部署に『こういう目的でアカウントを開設したい』と相談が来るようになりました」と横山氏は語る。Social Insightでのデータに基づき「その目的なら既存のこのアカウントで発信してはどうか」といった建設的な議論ができるようになり、導入前に感じていたSNSアカウントの乱立に歯止めがかかったのだ。

今後の展望については「これまでは情報発信の手段としてSNSアカウントが増える一方でしたが、これからはデータの力を借りて棚卸しを進めたいと考えています。投稿数が少ないアカウントや、役割が重複しているアカウントを整理・統合することで、会社全体としてよりスマートで効果的なSNS運用の体制を構築していきたいです」と横山氏は語る。

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資料の内容

・導入企業
・Social Insightが選ばれる理由
・Social Insightが解決出来る課題
・業務の効率化
・導入後のサポート
・費用 など

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