東北電力株式会社様

1投稿あたりの工数を30分以上削減し、キャンペーンでフォロワー数が121%に増加。Social Insightを活用したSNS運用で地域から“選ばれる”電力会社を目指す

東北6県と新潟県を中心に、電気の供給によって人々の暮らしを支え続けている東北電力株式会社(以下、東北電力)。電力自由化以降、競争が激化する電力業界において、SNSは災害時の情報発信だけでなく、認知度の向上や長期的なファンづくりなどを担う重要なコミュニケーションの場となっている。

しかし、東北・新潟の各支店や他部署から日々寄せられてくる投稿原案をSNS担当者が確認・修正し、再び関係者への確認と上長の決裁を経て投稿に進むという従来の運用体制は、煩雑な作業を伴うものだった。当時は1投稿ごとに約1時間を要していたため、1日あたりの投稿数は限られ、投稿結果に関するデータ分析にまで手が回らないという課題も抱えていたという。同社はこれらの課題を解決するため、Social Insightを導入。投稿管理の効率化に加え、クチコミ分析やSNSアカウント分析、キャンペーン機能を活用することで、業務工数の半減とフォロワー数121%への増加を実現している。ここでは、同社のSNS運用を担う田島氏、渡部氏、笠原氏に、導入の背景や具体的な活用方法、得られた成果について伺っていく。

東北電力株式会社 総務・地域共創部門 地域共創・広報ユニット プロモーションチーム
田島麻希 氏
渡部良宗 氏
笠原一生 氏

課題

投稿画面の確認や決裁に工数がかかり、1投稿に要していた時間は約1時間。投稿後のデータ分析に手が回らず、SNS運用の業務効率化と分析を両立できるツールが必要だった

東北電力では、東北・新潟の各支店や他部署から日々の活動やイベントに関する投稿の原案がプロモーションチームに上がってくる。それらを田島氏、渡部氏、笠原氏らが役割分担をしながら確認し、サブマネージャーとマネージャーの決裁を経て、XInstagramFacebookの公式アカウントで投稿するという運用体制が敷かれている。

同社がSNS運用に力を入れている背景には、電力業界を取り巻く環境の変化があった。「電力自由化により競争が激化していく中、東北電力を選んでもらうためには、お客さまとの接触頻度を高めていく必要があります。現在、SNSは情報発信チャネルの主流です。そこで、発信して終わりではなく、社会に対してどのような価値を自分たちが届けられているのかを定量評価するためにも、データを用いた分析は欠かせないものでした」と笠原氏は振り返る。

Social Insightを導入する前の東北電力では、社内の決裁ツールを使って投稿の起案や情報共有を行っていたが、業務工数に課題を感じていたという。「以前は練習用のアカウントで実際に投稿してからパワーポイントに加工し、社内決裁ツールに添付していました。それをサブマネージャーとマネージャー計2回の承認を得てから、各SNSを操作し、手動で投稿するという流れです。1つの投稿に対しては、約1時間かかっていました」と笠原氏。さらに、当時はデータ分析を行うためのツールを導入しておらず、投稿して終わりになっていた。

そこで、投稿にかかる工数削減と、データ分析を行える環境を実現するためにSocial Insightを導入した。Social Insightを選定したのは、東北電力の業務特性と親和性があったからだという。「公益事業者である当社は、災害が発生した際にプレスリリースを急遽投稿したり、発電所設備に関する投稿が必要になったりと、投稿スケジュールの変更を行う場面が数多くあります。Social Insightはそうした調整が容易かつ柔軟にできる点が魅力的でした。また、自社アカウントの深い分析だけでなく他社のアカウントを分析できる点も、データ活用を推進していく上で重要でした」と笠原氏は教えてくれた。

初めてSocial Insightを触った際の操作感についても「プレビュー画面が実際の投稿画面と同じように表示されるので、画像内のテキストの見え方や図の位置といった細かい部分まで確認できます」と笠原氏は好感触だったという。

同じく田島氏も「1回操作しただけですぐに使えるようになりました。決裁を上げたい人の名前を選ぶだけ、投稿するSNSを選ぶだけと、操作がシンプルです」と評価している。

活用方法

投稿管理機能を活用し、災害時などには柔軟に投稿スケジュールを調整している。クチコミ分析で世間の反応をいち早く把握するだけでなく、SNSアカウント分析でターゲットへリーチできているかも確認

Social Insightの導入後、東北電力では複数の機能を活用しながら、SNS運用の効率化とデータ分析を進めている。まず、日々の運用で使われているのが投稿管理機能だ。原案をSocial Insight上に登録すると、実際の投稿イメージがプレビューで表示される。田島氏は「プレビュー画面を関係者にも共有し、『この形で投稿しようと思っていますが問題ないですか』と確認します。必要に応じて修正を行い、確定すれば決裁フローに進み、マネージャーの承認を経て予約投稿へと至ります。以前は決裁のための「投稿イメージ」を作成しており、修正の都度それを作り直す作業が大きな負担となっていましたが、それが不要となったことで、より細かい表現の調整が行いやすくなりました。」と教えてくれた。

投稿管理機能で特に評価されているのが、急なスケジュール変更への対応だ。「災害発生時など、緊急で発信すべき情報が生じた時には予約投稿を一旦停止し、必要な情報発信を優先します。後日、追加で発信すべき情報がないことを確認して、もともと予約していた投稿を再開します」と田島氏。東北電力は電気というインフラを扱う事業者として、災害時にエンタメ要素のある投稿が流れることを避ける必要がある。そのため、柔軟にスケジュール変更できる機能は欠かせない。

他にも、土日祝日や年末年始といった通常勤務外の時間帯に予約機能を活用しているという。「以前は元旦の朝に新年のあいさつ投稿をするために、上司に会社用の携帯から投稿してもらっていました。今はSocial Insightで事前に予約投稿できるので自分たちで対応できますし、地域のお祭りネタなどモーメントを意識した投稿を行う際にも柔軟に情報発信できるようになりました」と笠原氏は語る。

次に活用が広がっているのが、クチコミ分析機能だ。電力事業は社会的影響が大きく、業界全体の動向や世間の反応を素早く把握できる仕組みが欠かせない。渡部氏は「例えば、女川原子力発電所の再稼働などの大きなトピックがあった際に、SNS上でどのような反応が起きているのかをSocial Insightですぐに確認・分析できるので助かっています。Social Insightがなければ、手動でエゴサーチを行うしかありません。原子力発電所に関しては、原子力・原発・発電所など様々なキーワードが考えられるので、より手間がかかります。しかし、Social Insightでは類似のキーワードが一括で検索できるので重宝しています」と語る。

クチコミ分析は、ポジティブな声を現場へ届けることにも活用されているという。「停電が発生した時には、困っているという声だけでなく『東北電力さん、ありがとう』『復旧して電気の大切さがわかった』という感謝の投稿も拾えます。そうした声を現場の方に伝えるようにしています」と渡部氏は教えてくれた。Social Insightで得られるクチコミは、現場のモチベーション向上にもつながっている。

特定の話題に関する投稿数や表示回数がグラフで可視化できる

また、SNSアカウント分析機能は、社内への報告と運用方針の策定で活躍している。「フォロワー数の推移やインプレッションがグラフで可視化されるので、社内へ成果を報告する際にとても重宝しています。各支店に対しても、インプレッションが高かった投稿を見せながら、どのように運用すれば伸びやすいのかを説明しています。これにより、何を投稿すればいいのか分からないという悩みを解消できました」と渡部氏は教えてくれた。

東北電力のInstagramは、主に採用を目的として運用しているnoteへの動線として活用されており、SNSアカウント分析機能がターゲット層へリーチできているかの確認に役立っている。「今年度から、フィード投稿で使用するサムネイル画像のデザインを変えました。これにより投稿が伸びていることだけでなく、ターゲット層へリーチできていることも数値として確認できました」と笠原氏は語る。

投稿がリーチした属性やエンゲージした属性がグラフで可視化される

成果・今後の展望

1投稿あたりの工数を30分以上削減し、1日1投稿から最大3投稿にまで拡大。キャンペーンでフォロワーが121%に増加し、社内の他部署からの連携依頼も寄せられるようになった

Social Insightの導入によって、東北電力は様々な業務効率化を実現した。最も大きな効果は、1投稿あたりの工数が半減されたことだ。導入前は、投稿イメージの作成・貼付・体裁調整、修正対応、別システムでの起票・回付と合計1時間ほどを要していた。Social Insight導入後は、管理画面上での投稿作成、修正対応、決裁回付の約25分にまで短縮されている。

この時間短縮によって投稿数が増加し、以前は1日1投稿だったところ、現在は1日最大3投稿まで可能になった。田島氏は「多くのユーザーの皆さんが携帯を見る昼休み時間帯の手前である11時半と、帰宅前の夕方17時の計2回投稿が基本ですが、発信したい内容があれば15時にも投稿しています。会議などが入るとうっかり投稿時間を忘れがちになりますが、事前に投稿予約することで確実に、そして計画的に情報発信できており、投稿漏れ防止やインプレッション数の増加にもつながっています」と効果を語る。

さらに、SNSキャンペーンを実施した際には、Social Insightのキャンペーン機能の活用とユーザーローカルからのアドバイスを取り入れ、フォロワー数は121%に増加した。「最初はキャンペーン開始日の曜日や時間帯を考慮せず実施していたのですが、開始日はユーザーの関心が集まりやすいため、携帯が見られやすい時間帯を意識した方がいいというアドバイスをいただきました。それ以降は金曜日の夕方にキャンペーン開始の投稿を出し、週末を挟んで実施する形にしました。それだけでも明確に応募者が伸びています」と田島氏。

キャンペーン期間中のリマインド投稿や、キャンペーン投稿の画像の見せ方についても改善を重ねた。「最初は注意事項とメインの画像を並列して投稿していたため、一番見せたい写真が小さく表示されていました。注意事項はリプライ欄に投稿してメインの画像のインパクトを最大化するというアドバイスを取り入れたことで、見栄えが大きく改善しました」と田島氏は教えてくれた。

東北電力がSNSキャンペーンを開始した背景には、これまでは少なかった若年層と女性のフォロワーを増やすとともに、既存フォロワーに加えて、より幅広いステークホルダーへの情報発信力を高めたいという狙いがある。そこで、通常投稿でも多くの関心が寄せられている同社の公式キャラクター「マカプゥ」をキャンペーンでも登場させている。「キャンペーン後に当選した子育て層の方から直接『嬉しいです』という喜びのメッセージが届くなど、これまでアプローチが難しかった層にリーチできている実感があります」と田島氏。

この施策は社内において他部署への広がりも見せている。昨年度に試行的なキャンペーンを複数回実施した後、営業部門からハウスクリーニングサービスをプレゼントにするキャンペーンの相談が舞い込んだ。広報の取り組みが社内のSNSに対する意識を強め、今では自然とキャンペーンの相談や投稿ネタが寄せられるまでになったという。

今後の展望について田島氏は「指定期間のクチコミをまとめてくれる『AIトピック要約』では、AIが自動でカテゴリに分けた要約を行ってくれたり、ポジネガやこちらで指定した分類など複数の観点で分類したカテゴリごとの概要を把握することができます。この新機能も活用して、私たちが発信する内容に対する反応や効果についてより分析を深めていきたいです」と語る。

「AIトピック要約」では、生成AIを活用してXの投稿内容をカテゴリごとに分類し、話題の概要を可視化することが可能

東北電力が見据える理想の姿は明確だ。「SNSを通じて信頼感や好感を日々積み重ねることで、電気の購入先や就職先などにおいて、自然と『東北電力なら大丈夫かな』『東北電力だったら間違いないかな』と想起してもらえる土壌を作っていきたいです」と田島氏は語ってくれた。

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