全社向けのSNSレポート作成時間が30分に半減。セブン銀行が実践するSocial Insightを活用したお客さまの“声”を施策に変える方法
全国のセブン‐イレブンやファミリーマートをはじめ、商業施設や駅などあらゆる場所にATMを展開し、人々の日常に欠かせないサービスを提供している株式会社セブン銀行(以下、セブン銀行)。創業25周年を迎えた同社は実店舗を持たないという特性上、お客さまの声を直接聞く機会が一般的な金融機関と比べて限られている。そのため、同社にとってSNSは単なる情報発信の場ではなく、お客さまのリアルな声を収集するための重要な場として位置づけられているのだ。
複数の部門がSNS運用に携わっているセブン銀行では、共有のしやすさという観点から、SNS管理ツールの使い勝手を重視していた。そこで、お客さまの声を素早く拾い、より良いサービスを提供し続けるために、UIに優れていると感じたSocial Insightを導入。今ではレポート作成やキャンペーン施策など、様々な場面でSocial Insightを活用している。ここでは、同社のSNS運用を主管するブランドコミュニケーション部・ブランディンググループ長の村上陽祐氏に、導入の背景から活用方法、得られた成果などについて伺っていく。
ブランドコミュニケーション部・ブランディンググループ長 村上陽祐 氏
課題
ソーシャルリスニングを目的として、3部門連携でSNSアカウントを運用。Social InsightはUIに優れていて、誰でも不自由なく使用できる。
セブン銀行では、SNSを通じたお客さまとのコミュニケーションを最大化するため、3部門体制でアカウントを運用している。村上氏が所属するブランドコミュニケーション部が全体の統括と情報発信を担い、ATMの使い勝手などに関する声には「コールセンター」が、口座やローンに関するお問い合わせには「コンタクトセンター」がそれぞれリプライ対応を行っている。日々の投稿分析を通じて「ATMの機能が分かりにくい」といった声があれば、各部門が一つひとつ丁寧に対応し、お客さまの疑問や不満を解消する取り組みを徹底している。
しかし、この複数部門にまたがる連携を推し進める上で以前使用していたツールには課題もあった。「機能の幅やサービスも充実していたのですが、そのサービスを使い切れておらず、またUIに使いづらさを感じていました。そこで、自分たちのSNS運用に適したツールの必要性を感じました」と村上氏は当時を振り返る。
機能に優れたツールであったものの、当時のセブン銀行の目的は「SNS上のお客さまの声を拾うこと」だった。その目的に対して考えると機能過多となっていた側面があり、コスト面での負担も大きかったという。これらの課題を解決するため、村上氏は複数の候補を比較検討した結果、機能の網羅性と料金、そしてUIの見やすさに魅力を感じてSocial Insightの導入に至った。
「実は、以前からSocial Insightのことは知っていましたし、User Insightを先に導入していて使い勝手のよさは理解していました。そのイメージ通り、実際にSocial Insightを触ってみると誰もが直感的に操作できるUIでしたので、導入後は部門間で『どう使うのか』という質問が減りました。3部門の担当者がそれぞれ権限を持ち、スムーズに連携して活用できるようになったのは大きなメリットです」と村上氏は語る。以前はツールの活用方法を提供元に聞いて返信を待つ必要があったが、今ではその時間もなくなっている。さらに、新しい担当者が初めてツールを使う際の教育にかける時間も減らせているという。お客さまの声を拾うという目的に加え、誰でも戸惑うことなく使える優れたUIは、まさにセブン銀行が求めていた環境だった。
活用方法
UGCの収集を効率化でき、役員まで見る社内へのレポート業務に活用。ユーザーの詳しい属性が可視化されることで、自社のファンに届くキャンペーンを実施できた。
Social Insightの導入により、直感的な操作とスムーズな部門間連携を実現したセブン銀行は、様々な機能を日常的に活用している。まずは、クチコミ分析を用いた社内での報告レポートの作成が挙げられる。セブン銀行では、自社に関する重要な報道があった際や、ATMの不具合といったトラブルが発生した際、即座にSNS上の反響を確認して役員や関係部署へ報告する体制をとっている。例えば、ファミリーマートにセブン銀行のATMを設置することが決まった際、SNS上でどのような声があがっているのかをSocial Insightで確認した。村上氏は「報道が出たタイミングで投稿数だけでなく、ポジティブなのかネガティブなのかといった反応まで確認しやすくなりました。その結果、社内へも分かりやすい形で報告できるようになっています」と語る。
さらに、週次で全社向けに作成される「VoCレポート」においてもSocial Insightが活躍している。このレポートは会長や社長をはじめとする全役員、そして200名規模の社員に共有される重要なものであり、SNS上で不満の声などがあがっていれば、即座に改善に向けたアクションをとっている。「Social Insightでは、指定したキーワードでクチコミが自動的にピックアップされます。以前は手動でキーワード検索をしてお客さまの声を拾っていたので、この収集業務が大きく効率化されました」と村上氏は語る。
また、詳細な投稿分析を行えることから、ユーザー起点の話題に対する施策も実施した。セブン銀行のATMのテンキーは、高級キーボードとして知られる東プレ株式会社の「REALFORCE」をベースに作られており、SNS上では毎年と言っていいほど「セブン銀行のATMはテンキーの押し心地が良い」という話題がバズる傾向にあった。Social Insightでは、そのバズの背景にいるユーザーの属性を深掘りすることが可能だ。「話題が盛り上がった際に属性分析を行ってみると、30代から40代の男性で、ガジェット好きの方々が話題にしてくれていることが分かりました」と村上氏。
セブン銀行はこの分析結果を単なるデータとして終わらせず、実際の施策へと反映させた。同社の創業25周年を記念したSNSキャンペーンにおいて、広く反応を得られそうな金銭的な景品ではなく、あえて分析から得られた属性のファン層を狙い、「セブン銀行オリジナルデザインのREALFORCEのキーボード」や「テンキーを模したキーストラップ」を景品として用意したのである。村上氏が「以前はクチコミを人の目で確認する程度で、ここまで深くユーザーの属性を分析できていませんでした」と語るように、Social Insightを用いた正確な属性の把握があったからこそ、コアなファン層に刺さるプロモーションを実現できた例と言える。
企業のSNS運用において、炎上は絶対に避けなければならないリスクだ。セブン銀行では、Social Insightの「AI投稿リスクチェッカー」を活用して、炎上リスクの低減や文章のトーンの統一を図っている。例えば、特定の人に向けたサービスの発信をする際、対象とならない人たちにネガティブな印象を与えないように細心の注意を払っているという。それだけでなく、過去に震災など重大なニュースがあった日にカジュアルすぎる投稿が重ならないよう、予約投稿時の確認も徹底している。
さらに村上氏は「SNSの投稿文面を作成する際、どうしても文章のトーンにムラが出ることがありました。例えば、冒頭はカジュアルな雰囲気なのに、文末だけ急に硬い丁寧語になってしまうようなケースです。AI投稿リスクチェッカーは、こうした『です・ます』調のムラも整えてくれるため、非常に役立っています」と教えてくれた。
このようにセブン銀行では、日々の投稿からユーザーの分析、社内へのレポートなど幅広い場面でSocial Insightを活用している。
成果・今後の展望
役員含めた全社に提出するレポート作成業務が半減し、30分で完成。SNSとWebの連動やキャンペーン効果の可視化で社内への報告に説得力が増した。
Social Insightの直感的なUIと詳細な分析機能を使いこなすことで、セブン銀行はあらゆる成果を生み出している。まず、日々の業務効率化の面では、全社向けに提出するレポートの作成工数が半減し、現在では約30分でレポート作成が完了している。
さらに大きな成果と言えるのが、User Insightと掛け合わせてSNSからWebへの送客効果を可視化できたことだ。テンキーに関する話題がSNS上で盛り上がった際、それに連動してユーザーによる指名検索が増加し、セブン銀行のWebサイト内にある特定の記事コンテンツへのPV数が、前月比で約6.5倍にまで跳ね上がったことが数字として可視化された。村上氏は「SNSで話題になった結果、Webサイトへどれだけの流入があったのかを一気通貫で可視化できるようになったことは、社内への報告に説得力を持たせられます」と語る。
Social Insightの導入によって、キャンペーンの効果を金額換算できるようになったことも、社内にもたらした変化の一つだ。「インプレッションやフォロワー数の増加だけでなく、それらが金額的にどれほどの価値を生んだのかを比較できるため、社内にキャンペーン効果の知見が溜まるようになりました」と村上氏は手応えを感じている。
今後の活用について村上氏は、現在手作業で行っているExcelのレポート業務を、1週間の反響をまとめる「AIトピック要約」機能で代替するなど、新機能を活用したさらなる効率化に期待を寄せる。また、アルゴリズムの変化が激しいSNS環境において、Social Insightはお客さまの動きを可視化し、仮説と検証を繰り返すための「なくてはならないサービス」だという。
「セブン銀行のATMにはQRコード決済や交通系電子マネーへのチャージ機能がありますが、まだご存知ないお客さまも少なくありません。今後はSocial Insightのデータをもとに関連部署とも連携を深め、まだ知られていないサービスのプロモーションにも、積極的にお客さまの声を生かしていきたいですね」と、村上氏は今後の展望を語ってくれた。
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