株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド様

レポート作成を月間7.7時間削減、フォロワーは約2万人増加。43アカウントを束ねる西武・プリンスホテルズワールドワイドがSocial Insightで実現したデータドリブンなInstagram運用

プリンスホテルをはじめとするホテル・リゾートを全国で展開する株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(以下、西武・プリンスホテルズワールドワイド)。同社では、本社と各ホテルを合わせて43に及ぶSNSアカウントを横断的に管理している。特に、写真で滞在の魅力を伝えられるInstagramは、新たに若年層の認知を獲得していく上で欠かせないチャネルだと捉えている。

しかし、各ホテルで個別に運用されるアカウントが増えるにつれ、本社として全体の投稿状況や成果を把握することが難しくなり、「そもそもどの指標をどう見ればいいのか分からない」という課題も抱えていた。そこで同社は、全43アカウントの効率的な管理と効果的なSNS運用を目指してSocial Insightを導入。今ではレポート作成を月間で7.7時間削減しながら、約2万人のフォロワー増加やリーチの向上といった成果につなげている。ここでは、本社で全体のSNS運用を管理しているセールス&マーケティング部の久保田氏と廣田氏に、導入の背景から具体的な活用方法、得られた成果などについて伺っていく。

株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド セールス&マーケティング部 タクティカルマーケティング
チーフマネージャー 久保田 潔 氏
課長補佐 廣田 里奈 氏

課題

「何のデータをどう見ればいいか分からない」状態からInstagramの運用を開始。業務では、全43アカウントの横断管理やキャンペーンの抽選作業に課題を感じていた

西武・プリンスホテルズワールドワイドでは、本社が公式アカウントを運用するとともに、各ホテルでも魅力を発信するためのアカウントを運用している。各ホテルの投稿はガイドラインの範囲で自由とされ、本社はそれらを横断的に管理する立場だ。管理するアカウント数は、本社と各ホテルを合わせて43に及ぶ。

同社では、各ホテルにInstagramの運用を必須としている。その理由について廣田氏は、「ホテルと相性がいいのはInstagramだと考えています。写真や動画で魅力を表現でき、没入感に浸ってもらいユーザーに『自分も行ってみたい』と思ってもらうことができます」と教えてくれた。久保田氏も「今後は若い世代を取り込んでいく必要があります。その意味でもInstagramを運用するのは必然でした」と、新たな顧客層の獲得を見据えていたことを明かす。

しかし、SNSの発信に力を入れ始めた当初は、何から着手すべきか分からない状態だったという。「インプレッション、リーチ、エンゲージメントのどれを重視すべきか手探りでしたし、どういう投稿をすれば反応がいいのかも分かりませんでした。分析の前に『Instagramの運用は何をすればいいのか』という点でつまずいていました」と廣田氏は語る。43ものアカウントを管理する中で、全社向けのレポートも存在していなかった。

当時の業務で特に負担が大きかったのが、キャンペーンの集計作業だ。当選者を抽出するために、応募投稿の写真を1枚ずつ手作業でスクリーンショットしていたという。廣田氏は「1日では終わらず、3日ほどに分け、合計約10時間かかっていました。そこから当選者を洗い出す作業もありましたね」と振り返る。

Social Insight導入のきっかけとなったのは、全アカウントの管理やキャンペーン業務の効率化に加え、会社としてSNS発信に力を入れる方針が掲げられたことだ。「絶景はプリンスにある。」というプロジェクトが立ち上がった際、魅力あるホテル体験を作り、それをSNSで発信し、宿泊者を増やすサイクルを構築することになった。

そこで、運用している全43アカウントを一覧で可視化でき、データを簡単にダウンロードできる機能が同社の課題を解決できると感じ、Social Insightの導入に至った。廣田氏は「Social Insightでは、ワンクリックでデータを抽出できるので資料作成の手間がかかりません。さらに、出力されたものを各ホテルの担当者が支配人に『今月のデータはこちらです』と紙で渡すこともメールで添付することもできます」と語る。

導入にあたっては、ユーザーローカルが勉強会を開き、機能や使い方を伝えた。これにより全ホテルでスムーズな導入が進み、今でもSocial Insightの使い方に関する質問が本社に寄せられることがないという。

活用方法

一元管理機能で全43アカウントのデータを一括で管理・可視化できるようになった。伸びた投稿は要因を分析し、横展開することでインプレッションの増加を後押しできる

Social Insightの導入当初、重きを置いていたのはUGCの分析だった。「絶景はプリンスにある。」を露出して若年層の認知を高めるために、各ホテル名のハッシュタグがどれだけ投稿されたかをKPIに設定した。しかし結果は芳しくなく、「他社のハッシュタグ件数に比べると、当社は少ないことが分かりました。そこで、若年層にも泊まってもらうために、SNS受けするプランを作ることにしました」と廣田氏は振り返る。ここから、競合他社の投稿分析やSNSを意識したプランづくりといった施策が動き出した。

指定したハッシュタグやワードが投稿されている件数や内容を期間別に可視化できる

Social Insightでは他社アカウントを登録することで、どの時期にどのような投稿がされ、どのくらい反応があるのかを確認できる。「ハロウィンやクリスマスといった季節イベントを、他社がどのタイミングに投稿しているかなどを確認しています」と廣田氏。また、SNS向けに人が写っている写真や明るい雰囲気の写真を撮影するようにもなり、「SNS用に写真を撮るのは重要だという意識が社内で広まりました」と久保田氏も教えてくれた。

自社のSNSアカウントの期間別サマリーのモニタリングを行い、自社・他社のアカウントの投稿を一括でダウンロードして反響反応の良い投稿の傾向を分析可能

Social Insightで運用を管理していくうち、KPIの考え方も段階的に変わったという。最初に掲げていたUGCの増加はハードルが高いと判断し、まずは「投稿すること」を定着させるため、各ホテルに月の投稿数を設定した。しかし、それでは「とりあえず投稿する」ケースが生じてしまう可能性があり、投稿数だけでなくインプレッションとエンゲージメントの両面も意識するようになった。そして、現在はインプレッションに一本化している。その背景について廣田氏は「SNSはまず認知されることが大事だと考えています」と、状況に応じて指標を見直してきたことを語る。

この過程で活用されたのが、Social Insightの一元管理機能だった。本社から各ホテルへフィードバックする際、各ホテルのデータを月ごとにダウンロードして一つの表にまとめ、KPIに対する進捗を各ホテルへ伝えている。「43個のアカウントを一つずつ確認するのは大変です。Social Insightなら全てまとめて見ることができ、数字が高かった・低かったというのが一目で分かります」と廣田氏。インプレッションが低い投稿はなぜ低いのか、高い投稿ではどのようなキャンペーンを実施していたのかなど、データの一覧から要因を探り、効果的な施策を3カ月ごとに行われる全体会議で他のホテルへ横展開する流れが生まれた。

各ホテルに共有しているレポート

横展開してきた中で特徴的な施策が「表紙」をつけた投稿だ。当初は「文字を入れてはいけない」というビジュアル重視のガイドラインだったが、「見てもらえない」という現場の実感から、1枚目に文字を入れる形へと変更した。すると、フォロワーの増加も重なり、数百しかなかったリーチが平均8,000~10,000にまで跳ね上がった。

インフルエンサーの起用も、データをもとに横展開している。「一つのホテルで伸びたからといって、その人が全てのホテルに合うわけではありません。子ども向けの夏の体験なのに大人2人で宿泊する方を選ぶとターゲットがずれてしまいます。データやターゲットを総合的に議論して依頼する方を決めています」と廣田氏は教えてくれた。

Social Insightから得られるデータは新たな発見ももたらした。「アフタヌーンティーの投稿がすごく伸びます。また、表紙に青や緑を持ってくるとインプレッションが出やすいとも感じています。海の写真は多く見られ、夏はInstagramの数字がとても見られます」と廣田氏。感覚ではなくデータに裏付けられた傾向が、見られる投稿づくりの基盤になっている。

久保田氏は「Social Insightでは見たいデータをすぐに確認できるので、素早くPDCAを回せるようになりました。さらに、同じ料金でどんどんアップデートされるので、便利さが増しています」と評価している。最近では、画面上で発行したURLを送るだけでアカウント連携が完結するようになったことに助けられたという。

成果・今後の展望

レポート工数は月間7.7時間削減し、フォロワーは約2万人の増加。データドリブンな会話も生まれるようになり、誰もが「行ってみたい」と思うホテルブランドへ

Social Insightの活用は、明確な成果となって表れている。まず大きいのが、レポート作成にかかる工数の削減だ。Social Insightを活用することで、全社向けレポート作成にかかる工数を月間7.7時間も削減できた。ツールを使わなければ、各ホテルに数字を出すことを依頼し、本社側で集計する必要がある。今は本社だけで全アカウントのデータを抽出できる環境になった。

エンゲージメントとリーチの面でも成果は表れている。文字を入れた表紙の横展開によって、数百だったリーチは平均8,000〜10,000へと伸長した。また、運営しているとある国内ホテルでは2025年1月〜12月のフォロワー増加数が前年同期の2.8倍に達し、同社の公式InstagramのフォロワーはSocial Insightを活用し始めた2023年4月と比較して約2万人増加している。

データ活用が進んだ結果、西武・プリンスホテルズワールドワイドではフォロワー数の増加を実現している

このフォロワー数増加の背景には、効果的なキャンペーンも一因となっている。フォロワーが少なかった時期に実施した「絶景はプリンスにある。」キャンペーンでは、フォローするだけで宿泊券が当たるシンプルな設計によって、フォロワーが4,000人増加した。視覚的に魅力ある写真を選び、季節に合った宿泊券を景品にする工夫をしたという。実施期間についても「最初は試行錯誤しましたが、2週間がベストだという結論に至りました」と廣田氏。キャンペーン投稿のエンゲージメントは、通常投稿の平均7〜8倍を示している。

キャンペーンの分析にはもちろん、業務効率の面でもSocial Insightは貢献している。かつて10時間ほどかかっていた集計は、抽選機能によって即座に完了するようになった。投稿の「初速分析」についても「キャンペーンは初速で伸びが止まってしまうことが多いので、『もうすぐ終わります』とストーリーで追いかけたりします。一方、通常投稿は後伸びするので初速は気にせず、ゆっくり見るようにしています」と廣田氏。データが見えるからこその判断を下せるようになった。

キャンペーン時は初速分析を活用し、インプレッションの最大化を図れる

組織内での会話の変化もSocial Insightを導入して得られた成果だと言える。各ホテルが自分たちの数字を見るようになり、本社やホテル間で感覚ではなくデータに基づく会話が生まれるようになった。

今後については、各ホテルの取り組みの濃淡をならしていきたいと考えている。「積極的に取り組んでいるホテルもあれば、まだ活用方法が分からないというホテルもあります。成功事例やデータを定期的に共有しながら、SNS経由で認知獲得を一緒に探っていきたいです。SNSのいいところはPDCAを素早く回せることなので、Social Insightでデータを見ながら運用を最適化していきたいです」と久保田氏。

その先に廣田氏が見据えるのは、「行ってみたい」「自慢したい」と思われる憧れのホテルづくりだ。「西武・プリンスホテルズワールドワイドのホテルに泊まったことを自慢したり紹介したくなったりする発信が、SNSを通じて生まれればと思っています。これは私だけでできることではないので、各ホテルと協力しながら実現したいと思っています」と語ってくれた。

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・費用 など

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