2020年7月に創業50周年を迎えた日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(以下、『KFC』)。全国に1,172店舗(2022年3月末現在)を持ち、主力商品である「オリジナルレサピーチキン(通称オリジナルチキン)」をはじめ、多彩なキャンペーンや魅力的なコラボレーション施策を展開し、幅広い世代からファンを獲得。
「おいしさ、しあわせ創造」の企業理念の下、持続的なブランド価値の向上を図るべく活動を展開し続けている『KFC』において、SNS展開もまた多くのファンから注目を集めている。ここではデジタル・コミュニケーションや話題作りに大いに役立てているというSocial Insightの活用方法について幅広くお話を伺っていく。
――まずは『KFC』でのSNSの役割についてお聞かせください。
平野氏:SNSはユーザーのみなさまに『KFC』を想起していただき、より身近な存在に感じていただくための施策や話題作りなどを、TwitterをメインにInstagramやFacebookなどで展開しています。指標となるのはユーザーのみなさまによる発話量とエンゲージメントです。特に発話量に関してはSocial Insightは、新商品発売時やニュースをリリースしたときに、複数のSNSを横断して可視化できるので役立っています。特に『KFC』ではSNSキャンペーンは月にレイヤーで展開することもあり、その際の発話量や反応が一括でチェックできてとても便利です。『KFC』ではSNSをはじめデジタルを担当するCRM推進課とは別に、商品を企画するチームがあるので、他チームとの情報共有をするためのツールとしても活用しています。
平野氏:クチコミ分析では、TwitterやInstagramはもちろん発信した話題が、ブログやYouTube、ニュースサイトなどでどれくらい取り上げられているか、その発話量と反応の内容を一括でチェックできます。例えばTwitterを中心にキャンペーン展開をしていたときに、なぜかInstagramで発話量が伸びていることがありました。その要因を分析していくと人気インスタグラマーさんがキャンペーンの投稿をしてくれていたことがわかり、複数のメディアを横断して分析することの価値を実感したこともあります。
平野氏:毎年、7月4日の『日本KFC』創業日を前に創業記念パックを販売し、SNSでも約1ヶ月にわたって(2022年は6月8日~7月5日)キャンペーンを展開しています。反響も大きく、発話量も増えるのですが、最初は盛り上がっていても徐々に発話量は落ちていくため、オーガニック投稿でいかに話題を持続させることができるかが重要だと考えています。創業記念パックのクーポンを配布したタイミングで「オリジナルチキンのおいしい食べ方」の紹介投稿を同時に実施しつつ、発話量が落ちてきたタイミングで、話題の継続を狙った「オリジナルチキンのおすすめレシピ」紹介を投稿。“何か面白いことが起こっている”、“誰かに言いたくなる”というようなオーガニック投稿からキャンペーンの話題を持続させる工夫をしていました。クチコミ分析ではこうした施策の反応をツイート数、RT数といった項目ごとに一目でチェックすることができ、施策の成果を検証することができます。
――オーガニック投稿は、やったほうが良いとわかっていても投稿のアイデアに時間がかかるという声もよく聞くのですが?
平野氏:確かに、SNS担当の方はみなさん同じ悩みを持っていらっしゃいますよね。『KFC』では、「オリジナルチキンのおいしい食べ方」や「おすすめレシピ」といった投稿すれば毎回ある程度エンゲージメントが取れるクリエイティブがあるので、こうした投稿は効果的なシーンですぐに使えるよう常に投稿の準備をしています。一方で、創業記念パックに紐づけをして投稿したクーポンは急遽決まったものでした。表現には悩みましたが、今回のクーポンでは多くを語るよりも“わかりやすさとシズル感”で伝えよう、と。こうした傾向やSocial Insightで過去の動向をチェックして、反応の良かった投稿の予測、仮説を立てることができると思います。
――『KFC』では投稿に使用されるハッシュタグもファンの共感を呼ぶものが選ばれているように感じます。
平野氏:ハッシュタグはInstagramのハッシュタグランキングから、どういった内容の組み合わせて使われているのかを参照しています。特にInstagramユーザーのみなさんは丁寧にハッシュタグを載せてくださるので、このランキングはとても役立ちますね。ハッシュタグの組合せから、こちらでは意図していなかった関連性のある商品が見えてくることも。例えば、このチキンとこのドリンクを一緒に投稿してくれているユーザーさんが多いと、実は相性が良いのかな?と新しい仮説に気づくこともあります。こうした仮説は月次の定例会で新企画の提案をする際にも役立っています。
――発話の内容についてはどのようにSocial Insightを活用しているのでしょう。
平野氏:投稿についたコメントをチェックして気になるポイントや『KFC』に関連するワードが急増したときなどは、ネガポジやユーザーの属性分析、テキストマイニングなどで深掘りしています。2021年11月にトレンドワードに「ケンタッキー」が急増した事がありました。出社したときに、チームでも「何か盛り上がっている?」と話題になり、テキストマイニングでその内容を確認して、どんな方々がに話題にしていただいているのかを属性分析で確認しました。すぐに発信源のツイートもわかり安心しました。
――“Twitterでケンタッキーと呟くと興味のない広告が表示されなくなる”というTwitterライフハックツイートでした。公式も参戦したことでさらに盛り上がりましたね。
平野氏:あのときは、社内でも“乗ってみよう”となったのですが、実はとてもドキドキしていて、ツイートするまでにだいぶ時間がかかったんです。でも、5分考えても15分考えても同じだからと思い切ってツイートして(笑)。
――そんな裏話があったんですね。しかし、そのツイートに“乗る、乗らない”の判断も早かったのではないでしょうか。
平野氏:チームでは他社の面白いツイートや楽しい話題をチャットで共有しているのですが、こうしたコミュニケーションが取れていたことと、Social Insightでの分析が急上昇したときの“気づき”や“話題の全体像をつかむきっかけ”になったのだと感じています。
――Social Insightではアカウントの分析にも活用されているのでしょうか?
平野氏:『KFC』では昨年からファッションブランドさんやテックブランドさんといった異業種ブランドとのコラボレーションの展開も行っています。その際にお互いにどれだけの話題を作れて盛り上げることができたのか、といった相乗効果を確認する上でアカウント分析は大いに活用しています。『KFC』発信の反響だけでなく、コラボ相手の企業様発信の反響や反応、フォロワーの伸び率などもSocial Insightを使えばチェックできるので、コラボの成果をより客観的に知ることができます。
平野氏:こうしたデータを手間なくレポートに作成できるのがとにかく便利です。必要なグラフやデータはワンクリックでパワーポイントにまとめることができます。特にレポートが即時必要な場合に、時間も手間もかけることなく作成できるので、とても助かっています。SNSを展開する上では“今、何が起こっているのか”を社内共有することが重要です。
商品を企画開発するチームに、“こんな反響があったよ”と知ってもらうことはとても大事なことで、“おいしい”という声がたくさんあると担当者のモチベーションにも繋がります。レポートを活用し同じ視点で社内共有することで、別チームや他部署との一体感も培えていると感じています。
平野氏:実際にこれだけのレポートをゼロから作成しようとすると少なくとも半日はかかります。ところがSocial Insightで作成すれば1時間程度。しかも、他の業務もしながらレポートを作成することを考えると、1/5以下の時短、作業効率化になっています。
――今後活用していきたい機能などについてもお聞かせください。
平野氏:どの世代の方にも“今日、ケンタッキーにしない?”と思っていただけるような、エブリデイブランドを目指します。今後はTwitterやInstagram以外のソーシャルツールの活用も検討していくので、Social Insightで傾聴・分析をさらに活用していきたいですね。また、YouTubeの動画内容分析が今後開発される予定と伺っているので、『KFC』を取り上げてくださっているアカウントにクイックに対応できるようになれば、さらに活用幅は広がると感じています。
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