江戸時代の創業から続く老舗百貨店『大丸』、『松坂屋』の伝統はそのままに、「5年先の「未来定番生活」を提案する。」というビジョンを掲げ、従来の百貨店のビジネス領域にとどまらず、新たなビジネスモデルを創出し続けている『株式会社 大丸松坂屋百貨店』(以下、『大丸松坂屋』)。2020年より本格的なDX戦略を推進しており、信頼やブランド力といった老舗百貨店の強みをベースに、店舗だけでは体験できなかった新たな価値提供をめざしたデジタル事業を続々と発信している。
業界初となるサブスク型ファッションレンタルサービス『アナザーアドレス』をスタート、さらに、個性あふれる社員をインフルエンサーとして育成する新事業も注目を集めている。こうしたデジタル+人を基軸にした事業を推進するにあたり、SNSをさらに効果的に活用するべく導入されたのがSocial Insightだ。導入1年でフォロワー数150%という成果をあげている当社のSocial Insight活用方法に迫る。
――Social Insightを導入された経緯からお聞かせください。
川辺氏:これからの百貨店のあり方を考えていくと、リアル店舗の強みに加えてデジタル領域での新たな事業展開を進めてまいりました。そうした背景からDXを推進・加速させていく戦略を立てる上で、SNSの分析、効果指標の見える化は欠かせないと社内で考えておりました。
西本氏:ソーシャルメディアを展開する上では、攻めと守りを意識したガイドラインの作成を進めました。炎上対策や偽アカウント対策といった守りの部分を考えることが多く、攻めの施策を考える上では、目標達成のための指標を可視化できるツールが必要と考えました。
川辺氏:ツールの選定をする中で、Social Insightと出会いました。とにかく分析指標が見やすく、効果指標の見える化は実現できそうだ、と感じました。また、ツールの扱いに慣れていない現場のスタッフもすぐに使えるというのが大きなメリットです。
三宅氏:操作性に加えて、クリックひとつでパワーポイントのレポートを作成できるという機能にも着目しました。かねてより、現場の担当者からレポートの作成には、投稿をひとつひとつ分析するなど手間がかかる割に、必要なデータまでたどり着けないこともあると聞いていたので、的確なデータの抽出とレポート作成機能は重要視しました。Social Insightは、ワンクリックでレポートが自動作成でき、しかも社内提出用としてつかえるほどのクオリティの高さ。同程度のレポートを自力で作成しようとすると10時間はかかるので、まさに夢のような機能だと感じています。
三宅氏:課題として抱えていたレポーティングが、時間と手間の短縮だけでなく、必要なデータを手間なく抽出できることから。資料のクオリティも格段に上がりました。
――Social Insightの導入は2021年の春ですね。まずは大丸札幌店1店舗で導入をスタートされたということですが。
西本氏:はい。弊社の中でも特にSNSを活用していたのが札幌店でしたので、まずは札幌店でどれほどの効果が出るかを図るためにテスト的に導入しました。
――ここからは、札幌店の日下部さんにもお話を伺います。まずはSocial Insight導入前のご状況からお聞かせください。
日下部氏:InstagramとFacebookのアカウントを運営していました。札幌店では、InstagramとFacebookだけの告知でも行列ができるほどの集客成果があり、SNSの効果はかなり実感していました。ただ、以前は手探りでSNSを運営していたので、狙って成果を出すことはできていなかったです。また、Instagramのアクセス解析ツールでは、過去のデータを遡ろうとすると取れなくなってしまいますし、私たちが欲しいと思っているデータを取ることもできなかったので、思うような分析ができず、感覚的な運用になっていました。データの分析をさらに深めて、目標となる指標を可視化することと、あとはレポーティングにかかる膨大な時間と手間の削減が大きな課題でした。
――そうした中でSocial Insightを導入したのですね。使ってみた印象はいかがでしたか?
日下部氏:一度触れてしまえば、あとは直感的に操作できるというのが第一印象です。欲しいデータも簡単に抽出できますし、あとは期間を絞ってデータを取るときの読み込み時間、レスポンスの早さも魅力でした。それまでは半日ほどかかっていたレポート作成の時間も、わずかワンクリックでできるようになったので、とにかく使いやすいツールです。
――札幌店ではどのように活用をスタートしたのでしょうか。
日下部氏:まずは、冒頭のお話にもあったように、目標となる指標の見える化です。Social Insightでは、リーチ数やエンゲージメント率、のべ閲覧人数点など、いろんなデータを過去にさかのぼって取れるので、分析の幅が広がりました。現場のニーズってさまざまなのですが、Social Insightだと求められるデータをすべて取得できるので、現場のスタッフが納得するまで説明ができるようになったのは大きな変化です。
日下部氏:Instagramの運営面での大きな変化はストーリーズですね。元々は一切やっていなかったのですが、Social Insightを導入してからはほぼ毎日上げています。要因はストーリーズでのリーチ数が見えるようになり、どのような投稿でフォロワーさんが喜んでくださるのかがわかってきたからです。こうした数値が見える化されたことで、投稿へのモチベーションが高まり、現在ではストーリーズも投稿もバランスよくまわせる様になっていると感じています。
――SNSを運営するスタッフさんの意識に変化が起きた、と?
日下部氏:そうですね。SNSでの状況を社内で共有できるので、札幌店のSNSに注目してくれる社員やスタッフが増えたのは間違いないです。これまでは、SNSの効果は“なんとなく出ている”くらいの感覚だったのが、具体的にどれくらいの人が見ていて、その効果も数値化できるので、特に現場のスタッフの熱量はすごく高まったと感じています。以前だと、新商品が発売される際には、各店舗さんへこちらからお願いしに行っていたのですが、今では店舗さんのほうから“SNSで扱ってください”という声が殺到しています。
――かなり大きな変化ですね…。
日下部氏:まさか店頭の販売スタッフにエンゲージメント率についての説明をする時代が来るなんて思いもよりませんでした(笑)。ただ、この数年でそれくらい環境が、時代が変化したんだなというのは感じます。
西本氏:札幌店での成果のお話を社内でしたところ、日本各地の9店舗で導入したいという声が上がり、現在では10店舗での公式アカウントにSocial Insightを活用しています。弊社では店舗ごとに地域性が違えば、SNSの戦略も店舗ごとに異なってきます。ですので、毎月1回それぞれの店舗とのミーティングを行い、店舗ごとに目標数値を設定しています。札幌店で得られた成果や実績を参考にしながら、各店舗の地域性や特色を出しつつローカライズを意識したSNS運営に取り組んでいます。
――Social Insightの導入後、フォロワー数の変化はいかがですか?
西本氏:札幌店での導入から3ヶ月後には、月度のフォロワー増数が、導入月に比較すると245%となったのには驚きました。さらに1年後の現在、札幌店のフォロワー総数は約150%となり、今も増え続けています。他の店舗でも、導入から3ヶ月でフォロワー総数が126%となった記録もあります。
――店舗ごとに運営をしてみて、改めてSocial Insightを活用する上で留意している点はありますか?
日下部:札幌店ではハッシュタグの設定と分析をこれまで以上に意識するようにしていますね。公式のインサイトでは、ハッシュタグのデータが取れないので悩みの一つだったんですが、Social Insightではハッシュタグを登録して、そのデータを追跡することができる。ハッシュタグで、どれだけの人が目にしたのか、どんな影響があったのかがわからなければ、そもそもハッシュタグをつける意識が芽生えないんですね。
――確かにそうですね。
日下部氏:ハッシュタグを用いた販売促進は、どんな業種の方々でもやっているかと思いますが、その効果測定機能はすごく重要です。過去の投稿内容からハッシュタグを振り返って最適化することで、フォロワー数の伸びや販売促進に直結します。
西本氏:Instagramのインサイトでは見えない部分、分かりづらい部分も、Social Insightでは明快で多彩なデータを得ることができるので、店舗ごとに合わせたデータを抽出して、ローカライズした運営にも活かせる手応えを感じています。
日下部氏:たしかにそうですね。Social Insightのおかげで、幅広いデータを取れるようになり、目標指標の見える化もできるようになりました。今後はさらに複合的にデータを組み合わせて分析を進化、深化させていきたいですね。
――ありがとうございます。では、みなさまにも今後の展望をお聞きしたいと思います。
川辺氏:現在10店舗でSocial Insightを導入しておりますが、それ以外のECサイトや新規事業のアカウントに関しても導入を考えています。札幌店での経過を見ていてもPDCAの回しやすさは感じているので、アカウントごとにもPDCAを展開しやすく、またその効果も見えやすいと考えています。現在、社員インフルエンサーの展開も進めており、「お菓子食べすぎ会社員」ではお菓子が大好きな弊社社員が TikTokなどを活用して、さまざまな情報発信をしています。こうしたインフルエンサーの取り組みに関しても、Social Insightを導入し、さらに活用していきたいと考えています。
三宅氏:SNSをお客さまに最も近いコミュニケーションツールとして捉えて、リアル店舗でしか味わえない接客や空間を通じたハートフルな体験をオンライン上で実現できればと考えています。店舗の各売場や後方業務で働く写真にはそれぞれ、お客様に喜んでいただきたい熱い思いを持って取り組んでいます。その思いをSNSでお客様にお伝えすることで、お客さまが大丸松坂屋のファンになっていただくような機会をオンライン上で築いていけるのでは、と思っています。社員ひとりひとりのパフォーマンスを高めるために、Social Insightは欠かせないツールです。今後も、お客さまとのSNSを通したコミュニケーションを拡充していくためにもさらに活用をしていければと思っています。
西本氏:そうですね。やはり、お客さまとの関係性をしっかりと築いて、よろこんで頂くための多彩なコンテンツやサービスを展開していくためには、SNSの力が必要不可欠です。大丸松坂屋とお客さまをつなぐ大切なツールをより効果的に活かしていくために、Social Insightをしっかりと活用していきたいと考えています。
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