1908年にアメリカ・マサチューセッツ州にて、マーキス・M・コンバースが創業したラバーシューズメーカーを起源とするライフスタイルブランド『コンバース』。
1917年にバスケットボール用シューズとして誕生した「オールスター」を筆頭に、「ジャックパーセル」や「ワンスター」等、スニーカー史に残るモデルを多数輩出している。現在では、スポーツからライフスタイルまでフィールドを広げ、「Design Yourself.」というブランドスローガンのもと、シューズに限らず人々のスタイルを彩る様々なアイテムを展開しながら進化を続けている。
国内でコンバースを展開するコンバースジャパン株式会社では、ブランドの世界観を伝え、新たなファンを獲得するためにデジタルマーケティングの重要性が高まっている。SNSでの発信に注力しているうちに、同社ではInstagramやX、TikTok、YouTube、LINEなど多くの公式アカウントを運用するようになった。そこで、管理の効率化やUGC(User Generated Contents)の効果的な活用をするためにSocial Insightを導入。ここでは、同社マーケティング部の中村氏にSocial Insightの活用方法や成果などについて伺っていく。
定期的に商品紹介やコラボ・キャンペーンの告知などをSNSで発信しているコンバースジャパンでは、SNS上のUGCと売上の相関関係を把握できていなかったことに課題を感じていた。実際に売上が伸びたタイミングで、どのようなUGCが生じているのかを可視化出来ていなかったという。「当時すでにInstagramではフォロワー数が30万人以上はいました。ファンを作るという目的は達成されていましたが、自分たちのアカウント外でどのようなクチコミがあるのか、UGCがどのように売上に繋がっているのかまでは分析できていませんでした」と中村氏は振り返る。
また、中村氏が同社でマーケティング部に着任したタイミングは、まさにアカウント運用の方向性を見直す時期だったという。30万人という多くのフォロワーは獲得できているものの、思ったような反応は得られていないという状態だった。
「従来の運用方針は『撮影したシューズの写真を販売時期に合わせて1カ月ですべて投稿する』というように、投稿することに重点が置かれていました。しかし、この方向性では、これから認知を広げたい商品に対する反応を得ることは困難です。そこで、SNSでの投稿に関する数字を深く分析して、売りたい商品がより売れやすくなるアカウント作りを意識し始めました」と中村氏は教えてくれた。
SNS上でのUGCの分析に課題を感じていたもう理由の1つに、コンバースジャパンが運用するSNSアカウントの多さという背景もあったという。実際に同社が運用するアカウントは多岐にわたり、Instagramだけでも4つ、その他にはXやTikTok、Facebook、YouTube、LINE公式アカウントも運用している。「運用しているSNSのアカウント数が多いため、管理にかかる工数も増えてしまいます。すべてのアカウント状況を細かく把握するには一つひとつのアカウントにログインして状況を把握しなければならなかったため、UGCの見落としやアカウント分析まで手が回らないこともありました」と中村氏は語る。
UGCの分析や複数アカウントの管理といった課題を解決するため、コンバースジャパンではSocial Insightを本格的に活用し始めた。中村氏はSocial Insightについて「費用対効果の面で非常に魅力的でした。一定の料金プラン内で『クチコミ分析』『SNSアカウント分析』『SNSキャンペーン』など多くの機能を利用できるため、継続して利用しています」と語る。
コンバースジャパンにおけるSocial Insightの活用の中心となっているのが、クチコミ分析機能である。「毎週月曜日に『コンバース』や『Converse』というキーワードで、過去1週間にどのような内容が投稿されていたかを確認しています。投稿件数が大きく伸びているキーワードがあれば、そのキーワードがどのタイミングで話題になったかを詳しく調査します」と中村氏は定期的なチェック体制を構築している。
さらに重要なのは、クチコミ分析の結果とGoogleサーチコンソールの結果を照らし合わせることで、SNSでの話題性と実際のサイト流入を紐づけて分析することだ。「コンバースに関するUGCの数が一気に伸びていた場合、Googleサーチコンソールで検索流入数を確認し、関連商品の検索状況や実際の売上データと照合しています」と中村氏は説明する。
従来の分析方法と比較すると、Social Insightを活用したことで効率性が大きく向上したという。「以前はXやInstagramの検索機能を使って『コンバース』などと検索し、投稿を一つずつ確認するしかありませんでしたが、分析できる範囲に限界がありました。Social Insightでは、リポスト数順のソート機能などがあり、反響の大きい投稿から効率的に確認できます。一概にバズといっても人によって判断基準が異なるので、数字で客観的かつ効率的にUGCを分析できるのは嬉しい機能です」と中村氏。
コンバースジャパンは、SNSアカウント分析機能も日常的に活用している。「投稿後に期待していた数値が出ているかどうかを、ほぼ毎日確認しています。狙いを持って投稿したコンテンツがどの程度の反応を得られたかを継続的にモニタリングした後は、月次でPowerPointの出力機能を活用してレポートを作成しています。そのレポートをチーム内や他部署に共有し、施策の振り返りや次の戦略を検討していますね」と中村氏は教えてくれた。
SNSアカウント分析により、投稿内容の最適化も進んでいる。コンバースジャパンでは、投稿画像の色味やトーンの統一についても数値的根拠を持って判断できるようになったそうだ。中村氏は「現在の投稿では、色味やトーンを統一する方針をとっています。ブランドとして毎投稿かっこよさを追求することは大切ですが、数値的な根拠があることで、方向性を変更する際の説得力が増しました」と、戦略の意思決定を感覚ではなく、数字をもとにした根拠によって行えるようになったと語る。
Social Insightのデータは、プロモーション費用の配分決定にも活用されている。「コラボ商品の投稿で反響が大きく、商品詳細の投稿でも好調な結果が出た場合、オーガニック投稿だけで十分な売上が期待できると判断できます。そのような商品については広告出稿への投資を控え、他の施策に予算を振り分けることが可能になりました。また、Social InsightではUGCを形成しているユーザーの属性も把握できます。今後は属性によって売上に相関関係があるのかなども検証していき、プロモーション費用のさらなる最適化を図りたいですね」と中村氏は説明する。
Social Insightの導入により、コンバースジャパンではあらゆる成果を実現している。大きな成果の一つは、Xのフォロワー数増加だ。「Instagramではフォロワーの獲得ができていましたが、Xと比べると拡散力で劣ってしまいます。そこで、Xにも力を入れ始め、絵文字の有無や文字数、画像の枚数などによって反応がどのくらい変わるのかをSocial Insightで分析しながら投稿を続けました。その結果、Xのフォロワー数は前年比140%に成長しました」と中村氏は施策の成功例を語る。
従来は代理店に依頼していたSNS上のキャンペーンも、Social Insightの導入により内製化とコスト削減を実現した。これまで本格的なSNSキャンペーンをあまり実施していなかったという中村氏は「Social Insightで実施するキャンペーンでは、応募者データの収集・抽出、当選者への連絡、参加者レポート作成などをすべて内製化できます。その結果、キャンペーン費用が3分の1程度に削減され、削減した予算を他の広告宣伝費に回すことができました」という成果を実現した。
また、当初に感じていた複数アカウントの管理をSocial Insightで一元化したことが、業務効率化と社内の意識改革にも繋がっているという。中村氏は「以前はSNSに投稿することが目的になっていた側面もありましたが、ゴールはそこではありません。しっかりと数字を伸ばしながら、ファン化や売上に繋げることです。Social Insightでは複数のアカウントを一括で管理でき、あらゆる数字が見られるので、数字をベースとしてロジカルに議論できるようになりました。これは、Social Insightの導入による最も大きな変化だと感じています」と組織全体での変化も実感している。
今後についても、中村氏は明確なビジョンを持っている。「フォロワー数を増やすことは重要な目標の一つですが、それ以外の数値も重視しています。フォロワーの方、フォロワー以外の方を問わず、いかにユーザーの皆様にコンバースのシューズをしっかり認知していただけるか、ファンになっていただけるかが大切です。Social Insightを使って数値を分析することで『この数値が向上したから表示回数が増加した』などをロジカルに説明できるようになります。今後も定期的にアカウントとその周辺を分析しながら、運用に活かしていきたいと考えています」と、中村氏は今後を見据えている。
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